先日、出張の移動時間の暇潰しに読書をしようと本屋へ。

平置きの本から、「このミスすごい」の帯と、生産管理用語のタイトルに惹かれ、買いました。
つまり、予備知識ゼロです。
(音楽ではジャケ買いですが、小説では何て呼ぶのだろう?)

ここから、小説の内容に触れますので、まだお読みでない方は、ご了承下さいネ。
















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内容は、タイムパラドックスの世界で、自分探しをするミステリー小説です。
主人公は、中学生の男の子リョウと高校生の女の子サキ。
2人は兄弟ですが、本来は出会うはずのない2人なのです。
それが何故・・・


いきなりですが、後味の悪い終わり方です。
しかし、その理由は、私が主人公に共感出来たからだと思います。

青春時代は、誰しも悩みます。
その中で、生き抜く為に手に入れた自分の<処世術>や<アイデンティティ>。

クライマックスで、それらが、次々と破壊されていきます。
「おいおい、それ言ったら、生きてる価値無くなるじゃん!」
の連続です。キツい!

ストーリーは、本格ミステリーではなく、私小説という感じ。
でも、ミステリーとしてのプロットは、凝っています。

タイムパラドックスというと、何でも有りのSFチックに聞こえます。
しかし、些細な事件を積み重ね、リアリティのある世界感を作っています。
更に、甘酸っぱい青春風味をトッピング!
著者の力量が、約300頁という短い中に詰まっています。

ちなみに、文章中に繰り返し出て来る「想像力」「観察」という単語。
これを、「推理」に置き換えると、探偵小説に感じます(笑)


時間の無い方に、オススメの一冊です。

コメント

ヒーロンだった人
2010年6月4日21:11

後味の悪い終わり方と聞いて、手を出しにくくなっている大人が通ります。(笑)

あ、ちなみに、
本のいきなり買いは、「背表紙買い」だと思います。
一般用語かどうかは自信がありません。(^^;)

かりキン
2010年6月4日22:36

ジャケット買い楽しそうですね。出張時はついつい本を勝ってしまいますが、私の場合はコミックの1巻買いです。とりあえず、売れてそうな1巻を買う。聖おにいさんは面白かったが、2巻は買わず(その後、放浪の旅に出したが、だれも2巻かってくれず。。。)。とあるでも次回は勝ってみるか。。

トムリン
2010年6月4日22:47

>ヒーロン様
「平置き」でも、「背表紙買い」とは、コレ如何に(笑)
ちなみに、新潮文庫で500円です。ゼヒ!

>かりキン様
流行りの本を知らないので、適当に買ってるだけなんですけどネ。
あ、<1巻買い>、私もしますヨ。
以前、京極夏彦を買って、その続きを読むのに、大変でした。

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